この本その少ない例外の一つです。モダンなRDBMSの基本的な構造と、根底にある動作原理を解説してくれる本です。
第1部はRDBMSを構成する要素の基礎です。表の保存形態、インデックスの種類、実行計画などの概念を解説していて、第2部で本の主題であるパフォーマンスアップ(アクセスの最適化)手法を具体的に解説するという構成になっています。第2部では主にスキャン範囲の限定と、ソート手法についての最適化を解説しています。
著者はOracleを得意としているためか、一般用語が無い部分はすべてOracle用語を使っていますし、Oracleにしか無い機能を紹介している箇所もあって、Oracle色がやや強い本です。
しかし著者が前書きで書いてある通り、全体的にはRDBMS製品に依存しない普遍的な要素が丁寧に解説されている良い本で、DB2を含む他のRDBMSユーザにもお勧めできる本です。