ありがたいことにミックさんから献本していただいたので、発売前から読むことができました。
本はcodezineでの連載のまとめ(加筆、修正、書き下ろしあり)+ホームページ「リレーショナルデータベースの世界」の内容で構成されています。二部構成になっていて、第一部はどちらかというとSQLのテクニック的な内容が中心で、第二部はSQLをどう理解するか、どのような背景があるか、等を噛み砕いて説明するという内容になっています。
どちらも面白いのですが、著者の意図や考えがより濃く反映されているのは第二部の方でしょう。そこからは「SQLを集合や成り立ちから捕らえる事で理解が深まる」「底辺を貫く考え方を理解すると、より良いSQLが書けるようになる」という著者の明確なメッセージが感じ取れます。
前にも書きましたが、SQLの本は初心者向けの本は多いのですが、こういう明確な指針を持ち、初級者から中級者への階段をやさしく先導してくれる本はなかなかありません。
本のタイトルには「徹底」とあり、難しい本かも?との誤解を生むかもしれませんが、codezineでの文章で分かるように、著者は初心者でも楽しく読めるように注意を払いながら文章を書いています。また、1章があまり長くなく、それぞれ独立しているので1章ずつでも気軽に読めるのも良いところです。
価格も安く、基本的なSQLが書けるようになった初級者以上の人にお勧めです。この本を読んだ後には、きっとセルコの本が読みたくなりますよ。